高校数学 新課程と現行課程の新旧対照表

平成21年7月、「高等学校学習指導要領解説」が発表されました。 このブログでは、新課程と現行課程について、どこが変更されたか確認していただけます。

高校数学が新過程に移行した経緯について

国公私立大の学生の“4人に1人”が、小学6年で学んだ「平均」の意味を正しく理解していない

(社)日本数学会が行った調査で、大学生の論理を正確に解釈する能力や記述力、図形の活用力などの不足が目立ち、大学教育を受ける前提となる数学的素養や論理的思考力などに課題があることが明らかになりました。


平成10年代学習指導要領において、“ゆとり”の中で「生きる力」(確かな学力/豊かな心/健やかな体)の育成を基本的な理念とし、いわゆる “ゆとり教育 が推し進められました。

小・中学校では教育内容の3割削減と教科学習の授業時数の大幅削減、高校では必修単位数や要卒業単位数の削減が図られました。

その結果、
“学力低下”問題が社会的にも大きな波紋を広げました。 PISA(国際的な学力比較調査)の結果から、日本で学力低位層が拡大したことが明らかになっています。


その反省から今回の新学習指導要領では、 数学III」に1999年改訂の指導要領で削除された「複素数平面」が復活するなど、その難度は明らかにアップしています。 

このブログでは、大幅に変化があった高校数学の履修内容について、現行課程と新課程を対比して、その違いを確認していただけます。

平成27年度には新過程での入試が実施されます。ぜひ、このブログを今後の学習に活かしてください。
 
 

 

『数学ⅠA』の新課程と現行課程の新旧対照表


[新過程]赤字で示した内容は、新課程で追加されたもの


数学Ⅰ(3単位)

(1)数と式

(2)図形と計量

(3)二次関数

(4)データ分析


数学A(2単位選択)

(1)場合の数と確立

(2)整数の性質

(3)図形の性質
 


[旧過程]


数学Ⅰ(3単位)

(1)方程式と不等式

(2)二次関数

(3)図形と計量 


数学A(2単位選択)

(1)平面図形

(2)集合と論理

(3)場合の数と確立 
 

『数学ⅡB』の新課程と現行課程の新旧対照表


[新過程]


数学Ⅱ(4単位)

(1)いろいろな式

(2)図形と方程式

(3)指数関数・対数関数

(4)三角関数

(5)微分・積分の考え


数学B(2単位選択)

(1)確立分布と統計的な推測

(2)数列

(3)ベクトル
 


[旧過程]


数学Ⅱ(4単位)

(1)式と証明・高次方程式

(2)図形と方程式

(3)いろいろな関数

(4)微分・積分の考え


数学B(2単位選択)

(1)数列

(2)ベクトル

(3) 統計とコンピュータ

(4) 数値計算とコンピュータ
 

『数学ⅢC』の新課程と現行課程の新旧対照表


[新過程]


数学Ⅲ(5単位)

(1)平面状の曲線と複素数平面

(2)極限

(3)微分法

(4)積分法


数学C ⇒ 廃止




[旧過程]


数学Ⅲ(3単位)

(1)極限

(2)微分法

(3)積分法 
 

数学C(2単位選択)

(1)行列とその応用

(2)式と曲線

(3) 確立分布

(4) 統計処理
 

その他の新課程と現行課程の新旧対照表


[新過程]


数学活用(2単位)

(1)数学と人間の活動

(2)社会生活における数理的な考察
 


[旧過程]


数学基礎(2単位)

(1)数学と人間の活動

(2)社会生活における数理的な考察

(3)身近な統計 
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